MASTERS開催、発表
昨年の名人位決定戦から止まっていた”時”が、今動き出そうとしている。
勿論、情勢を鑑みて開催が延期もしくは中止されることも想定できるが、
開催に向けて相応の準備をする必要はあるだろう。
こういった時ほど、デッキ構築に長けたプレイヤーを羨ましく思う。
デッキビルダーでお馴染みの二代目名人こと、ぱっつぁん氏は、
Opus13発売直後の自宅名人戦にイミテーションデッキを持ち込み、
見事優勝を飾っている。その完成度に度肝を抜かれたのは私だけではないだろう。
しかしながら、私のような平凡なプレイヤーは、強いデッキを作るだけの構築力も、
それを使いこなすためのスキルも持ち合わせていない。
ではどうするか。以前にも紹介した通り、方法の一つとして相手が意図しないような
突拍子もないデッキを使う、というものがある。
想像だにしていないデッキに突然叩きのめされる対戦相手の顔を想像するだけでも楽しいが、
万が一勝てなくとも、対戦相手を驚かすことができれば心の勝利を得ることができる。
人によってはこの突拍子もないデッキの事をクソデッキと呼ぶだろうが、
時としてクソデッキが環境を作り出してきたこともあるのは事実である。
例えば、Opus黎明期には【1-129C】ギルガメッシュのスペシャルアビリティを
確実にヒットさせるためデッキのすべてをフォワードにした上に、
そのアビリティを自分の【1-135L】ゴルベーザに当てるデッキが存在した。
登場当初はネタ扱いされていたものの、各地の大会で結果を残すこととなり、
一つの環境デッキとしてしっかりとFFTCGの歴史にその名を残している。
最強のデッキというのは時としてしょーもないアイディアから生まれるものだ。
それならば逆転の発想で、とにかくブッ飛んだ考えからデッキを組み始めれば、
並み居る強豪プレイヤーをも唸らせる作品ができあがるに違いない。
そう、すべてはクソみたいなアイディアを見つけるところから始まるのだ。
1.妄想編
私にはこの方針が決まった瞬間から使ってみたいカードが存在していた。
【13-120H】ドーガ
いかにもな香りのするこのカード、使うのならばデッキの大半は召喚獣で
埋め尽くされるであろうことは想像に難くない。しかし、その構築難度は、
かの難関ダンジョンクリスタルタワーの如く高かったのである。
デッキ名:ゴミ捨てるタワー
あ、これダメなやつだ。
このままではいけないと、私は一から考え直すことにした。
欲しいのは、対戦相手に『なんじゃこりゃ』と言わしめる圧倒的な何かである。
それが中途半端であってもいけないし、先ほどの紙束ドーガデッキのような、
やること為すことが勝ちにつながらないのも論外である。
悩みに悩む私はカードリストを眺める日々が続いた。
そしてカードは見つからないまでも、一つの”答え”のようなものに辿り着いた。
そう、私は失念していたのだ。なぜこんな簡単なことに気付かなかったのか。
FFTCGは対戦相手に7点のダメージを与えれば勝ちである。これは即ち、
フォワードを7体並べ、翌ターンに全員攻撃すれば勝つことを示している。
もうお分かりであろう。
圧倒的物量を可能にするスーパーカードがOpus13には存在する。
それが、これだ。
これは何の関係もない【13-061C】ヒュー=ユルグ
【13-097C】バイキング
FFTCGの歴史において、様々な種類の『バイキング』は何かしらの結果を残してきた。
それは彼らの持つ『カードを引く』能力がアドバンテージに直結しやすく、
他のカードと組み合わせることで明確に得をすることができるからであろう。
この新しい【13-097C】バイキングはドローこそできないが、運任せとはいえ
たったの2cpでフォワードを2体並べることができる。
否
出てきたフォワードもまた【13-097C】バイキングだった場合、さらに効果が発動し、
最大で1枚から4体のフォワードが展開されるとんでもない可能性を秘めている。
だが、まだだ。
先に私はフォワードを7体並べると述べた。これだけでは最大4体、追加で手札を
使っても、せいぜい5、6体がいいところである。
しかしながら、このギャップを埋めてくれるカードは1年以上も前から用意されていた。
ストレージからそのカードを取り出した私の手は期待に震えていた。
2.爆誕編
【10-065L】ウォーリアオブライトと【13-097C】バイキング、私はこの組み合わせに
足りないものを考え、それらを加えることで徐々にデッキを組み上げていった。
まず、いくらフォワードを並べたところで初戦はパワー4000以下の貧弱な一般兵が
ただ間抜けに突っ立っているだけである。これでは相手に鼻で笑われても仕方ない。
物量を活かすには攻撃を通すためのカードを一定数確保しなければならない。
従って、私は氷属性を採用し、この問題を解決することにした。
氷属性の採用に伴い、【10-065L】ウォーリアオブライトの効果をヒットさせるための
足りない一般兵は、DGソルジャーシリーズを採用することにした。
これらはフォワードを多数展開する戦法と相性が良いため、非常に噛み合っている。
残った問題は【10-065L】ウォーリアオブライトを出すための土CPだ。
デッキコンセプトとの相性が良いため、【4-080L】ケフカは採用できるが、
安定した土CPとはならない。【13-093H】サラと【11-128H】セーラ姫の
ギミックを採用してみたものの、【11-128H】セーラ姫を置くタイムラグが
勿体なさすぎて、イマイチなのだ。
この問題を解決してくれたのが、多属性のカードである。
要は、土CPに成りうるカードが水属性、または氷属性からサーチできればいい。
例えば【13-092C】賢者はいい選択になる。
しかし私は【4-138R】メルウィブを採用し、サーチ先として【13-119L】ソフィを
1枚だけ投入することにした。理由はいくつかあるが、
・【4-138R】メルウィブは他にも【13-097C】バイキングや【6-126R】レイラのような
強力なフォワードに繋げやすく、初手の動きを安定させやすい
・5~6点削ったときの最後の決定打として無理やり出すことを想定できる
の2点が非常に大きい。特に一つ目は重要で、デッキの安定が見込める。
こうして完成したデッキがこちら。
デッキ名:Super Draw Viking
目立つ【10-065L】ウォーリアオブライト
特筆すべきはその圧倒的と言っても物足りないレベルの展開力である。
【10-065L】ウォーリアオブライトから出したカードでドローする、
後続をサーチする、はたまた更なるフォワードを出すことが可能なのだ。
捲れた組み合わせ次第では手札が回復するため、更なる展開に繋げることもできる。
さて、デッキが完成したらするべきことは一つ。そう、世界を取ることである。
バイキングと言えば海賊。私の心の中のルフィが叫んでいる。いざ、実戦へ!
3.実戦編
海賊たち、自宅名人戦という大海原へ
◆第1回戦 vs風氷ストーム(閣下さん) ○
こちらの後攻。1ターン目に【6-126R】レイラ、【4-133C】バイキングからの
【13-097C】バイキング・【3-042C】DGソルジャーの4体を展開。
返しのターンで出てきた【13-031R】ラグナに4シヴァを当てつつ4点。
その後も順調にクロックを重ね、ケフカ等の噛み合いもあって駆け抜ける。
◆第2回戦 vs土水(マキナんさん)○
こちらの後攻。2ターン目に出した【10-065L】ウォーリアオブライトから、
【13-097C】バイキングは捲れないまでもバイキング3体を展開。
返しで【1-107L】シャントットを使わせ、【6-126R】レイラと
【3-042C】DGソルジャーで盤面を持ち直し、【7-033R】スノウでフィニッシュ。
◆第3回戦 vs多色ニコル(東雲さん)×
またもや後攻。マリガン後ロケットスタートができなかったので、
【4-138R】メルウィブからの【1-091R】アモダで【7-033R】スノウをサーチ。
【7-033R】スノウを置いてバック3枚から【10-065L】ウォーリアオブライト。
【3-042C】DGソルジャーと【3-041C】DGソルジャーが出るも、シャントット。
その後【13-097C】バイキングから【13-097C】バイキングが3連鎖。
しかし【12-068H】フェンリルを計4回くらい撃たれ、バックが空に。
苦しいながらも、【3-032R】シヴァで6点まで通し、ラス1の【8-032R】シヴァを
用意するも、氷コストを引き込めず、準備できたと思ったら【12-061L】クルルに
マバリアでヘイスト付与し、【3-032R】シヴァ使われ負け。
◆第4回戦 vs土水(プチデビさん)×
こちらの先攻。この日最弱の【6-126R】レイラと【13-097C】バイキングスタート。
しかも【13-097C】バイキングでバイキングが出せず、返しのターンで
【11-064L】アーシュラ出てきて絶望。なんとか4点刻み、【8-032R】シヴァ2枚で
詰めようとすると、5点目【13-086R】アグリアス、6点目【10-068C】クーシーが
それぞれEXバーストし、手札を補充されて返しに4体出てきて負け。
結果:2-2
4.後悔編
デッキのポテンシャルは感じるものの、最後の一押しが足りない感が否めない。
どこかに背徳の神帝マティウスのようなカードはないものだろうか。
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いた。
いねーよバカ
さておき、このデッキを組むにあたって脳内、もしくは調整中に通過したカードを
最後に列挙して、この記事を締めたいと思う。
まだまだこのデッキは生まれたばかりなのだから、いつの日か羽ばたく日が来る、かもしれない。